宇宙をテーマに、教育・産業・行政・地域をつなぐ「埼玉宇宙アカデミー(SSA)」が9月1日に発足し、9月4日、狭山のレストラン「ニックス」(狭山市入間川 4)で発足式典と会員交流会を開いた。
同アカデミーは、「子どもから企業まで、宇宙を通じた実践プロジェクト」を展開することを目的に、活動理念「Engage to the Moon」を掲げ、「宇宙を通して、人・企業・地域・未来をつなぐ。」をビジョンに活動する。
発起人は、入間市内に本社がある奥井組会長の奥井利幸さん。同社はIHIエアロスペースのロケットブースターを種子島宇宙センターへ輸送するなど、宇宙開発を物流面から支えてきたほか、スペースワンの「カイロス」ロケットの輸送・現地組み立てや、キヤノン電子の人工衛星関連機器の運搬にも関わっている。奥井さんは「宇宙関連事業に携わる中で宇宙の持つ魅力に可能性を感じ、宇宙について学び、体験できる場をつくる構想を温めてきた」と話す。
役員には、会長にアイ電気の吉田徹弥さん、副会長に奥井利幸さんと県立狭山工業高校の原嶌茂樹さんが就任した。狭山市で国際宇宙ステーションとの交信イベントに取り組んできた吉田さんはJAXA宇宙教育指導員も務める。高校との連携による宇宙食開発などを進め、宇宙・航空分野の関係者、企業、教育関係者、行政、地域団体などが参加する。
活動内容は「学ぶ(Academy)」「発信する(Beacon)」「集う(Community)」「つくる(Design)」「体験する(Experience)」の5分科会を軸に、入間市・狭山市を拠点に展開する。
吉田会長は「宇宙で学ぶということが重要。無重力の世界から学ぶことがある。さまざまな取り組みを、今後『航空宇宙自衛隊』となる入間基地が位置する入間・狭山の地から発信していきたい」と意気込む。奥井副会長は「Engage to the Moon-これからは月の時代。特に子どもたちにはスマートフォンを見つめて下を向くのではなく、時には空を見上げてもらい、宇宙飛行士を目指してほしい」と話す。
5分科会のうち「Academy(学ぶ)」を担当する田中耕太分科会長は「多くの子どもたちに夢のある宇宙を知り、学んでもらい、宇宙での活躍を夢見てもらいたい。私たちの生活と宇宙との関わりや宇宙が抱える課題についても、もっと知ってもらいたい」と話す。
同会では今後、宇宙科学に関する講座やワークショップ、観望会、ロケット・衛星モデル製作などの教育プログラムを展開するほか、宇宙食の製造、開発認証への挑戦や国際宇宙ステーションとの直接交信イベントの実現なども目指している。
発足式典終了後の会員交流会では同会のテーマソングを流し、参加者は宇宙食化を目指す「きくらげ入り焼き小籠包(ショウロンポー)」の試食や、宇宙を共通のテーマに、それぞれの立場から活動への期待や今後の連携について意見を交わすなど、世代や分野を超えたネットワークづくりの場となった。