2026年2月10日(火)、狭山経済新聞 編集長と考える地域活性化勉強会&交流会を開催しました。
今回の登壇者は、狭山経済新聞の編集長であり、埼玉県内でコワーキングスペースやシェアキッチン、宿泊施設など13施設を運営する株式会社コミュニティコム代表取締役の星野邦敏さんです。
2025年4月に創刊した「狭山経済新聞」の背景から、地域メディアが果たす役割、さらには農業や福祉、ITを掛け合わせた多角的な事業展開について、熱意あふれるお話を伺いました。
Part 2では、多彩な事業の根底にある、共通の「街への想い」。バラバラに見える活動が一つに重なる瞬間についてお話しいただきました。
地域活性化勉強会&交流会とは
星野さん
私は商売を始めて21年目になりますが、地域で何かをゼロから起こす人は、どうしても少数派です。 周囲と違うことをする中で、「自分のやっていることは合っているのか」と孤独や不安を感じることも少なくありません。
私たちが取材を通してその人の「想い」を伝えることで、その人を街のヒーローにしたい。 例えば、ある日突然オープンした個人商店も、店主が寝て起きていきなり始めたわけではありません。そこには溢れるような想いや、物件探しなどの紆余曲折、必ず「ストーリー」があります。 そのストーリーを届けることで、「今日はチェーン店ではなく、あのお店に行ってみよう」という動きが生まれ、街が活性化していくと信じています。
私たちが参加している「みんなの経済新聞ネットワーク」は、現在、国内・海外合わせて約140媒体あります。 埼玉県内だけでも秩父、本庄、熊谷、川越、狭山、大宮、浦和、川口、春日部の9媒体が稼働しています。 各地域の地場の中小企業が運営しており、その地域に拠点があることがルールとなっています。

星野さん
私自身の活動についても少しお話しさせてください。私は2006年に個人事業主として創業し、2008年に法人化しました。 最初に取り組んだのはIT事業ですが、地元である埼玉県に戻り、14年前に大宮駅東口に「コワーキングスペース7F(ナナエフ)」を作りました。 当時はまだコワーキングスペースの走りの時期でした。
そこから活動は多岐にわたり、現在は直営・受託合わせて13施設を運営しています。
・シェアキッチン:高齢化でシャッターが閉まった店や使われていない施設を改装し、曜日替わりで自分で飲食店をやってみたい人に貸し出す仕組み。
・空家再生と宿泊事業:秩父で空家を改装し、サウナ付きの一棟貸し宿泊施設を運営。間伐材の利活用や、自作のサウナ小屋設置など、社会課題解決も兼ねています。
・歴史的建造物の利活用:旧埼玉りそな銀行川越支店(旧八十五銀行)の公募に採択され、シェアキッチンやコワーキングスペースの企画・運営を担当しています。
・行政受託:埼玉県のイノベーション創出拠点「渋沢MIX」の運営を受託し、スタートアップ支援も行っています。
さらに、私個人としても農業に力を入れています。3年間の研修を経て、今年の5月1日から正式に農家(新規就農者)になります。 休耕地を活用し、子どもたちと一緒にサツマイモを作り、焼き芋にして販売するイベントを4年続けています。
サツマイモの苗は1本約40円ですが、焼き芋にすれば1本400円ほどで売れることもあります。 子どもたちに土に触れてもらうだけでなく、利益をその場で分配することで「商売の体験」も提供しています。 私にも4歳と2歳の子どもがおり、次世代に何を残せるかを常に考えています。

星野さん
最後になりますが、私がなぜここまで地域や事業にのめり込んでいるのか。実は私は大学卒業後、就職氷河期の影響もあり、27歳まで自宅からほぼ出ない「引きこもり」の状態にありました。
貯金が8万円しかなかったとき、3万円を握りしめてブックオフの100円コーナーで本を買い、それをヤフオクで売ることから商売を始めました。 当時、埼玉県内で大きなブックオフといえば大宮か狭山だったので、親の車で狭山にもよく通っていたんです。 そこからHTMLやWordPressを独学で覚え、IT事業を起こし、今に至ります。
ずっと「何者でもない時代」が長かったからこそ、自分がいたことでこの業界や地域が少しでも良くなった、と言えるものを残したい。 経済新聞も、5年後、10年後に記事として残り続けます。 誰かに光を当てる活動を、健康である限り続けていきたいと思っています。
現在、狭山経済新聞では業務委託のライターさんを募集しています。 地域に愛着のある方と一緒に、この街を盛り上げていければうれしいです。

最後のPart 3では、店で待つだけでは出会えない面白い人を引き寄せる「最強のツール」としてのメディア活用術。そして、地域の灯を消さないために、運営者が変わっても存続し続けるための仕組みについてお話しいただきました。