狭山市営稲荷山公園緑地保全地区(入間川4)で自生する、「里山の宝石」とも呼ばれるヤマユリの開花が7月2日ごろに始まり、現在、見頃を迎えている。
同地区に自生するヤマユリは人の手で植栽されたものではなく、自然の中で育つ貴重な群生地。日当たりや湿度、土壌などの環境によって開花時期が異なるため、一斉に咲くことはなく、次々と開花する様子を長く楽しめるのが特徴。7月18日ごろまで観賞できる見込み。
この里山は、かつてやぶやツル植物が生い茂り、人が立ち入りにくい状態だった。2016(平成28)年に市民による保全活動が始まり、3年後には近隣住民有志による市民ボランティア「稲荷山・山ゆりの会」が結成され、約15人の市民ボランティアが年間を通じて下草刈りやツルの除去、外来植物の駆除などを続け、ヤマユリが育つ環境を守ってきた。
開花シーズンには同会会員がガイド役を務め、ヤマユリの生態や里山の魅力を来園者に紹介している。春にはカタクリ、桜、ツツジなど四季折々の花々が楽しめることから、多くの人が訪れる里山となっている。
ヤマユリの魅力は、直径26センチを超えることもある大輪の花と周囲に広がる甘く上品な香り。急斜面のあちらこちらに咲く姿は迫力があり、中には1株から十数輪以上の花を付けるものもあるという。
同団体代表の福田朝男さんは「今年も狭山の里山の宝石ともいえる自生ヤマユリが見事な大輪の花を咲かせた。多くの皆さまに甘い香りと自然の美しさを楽しんでもらうとともに、貴重な里山を守る活動にも関心を寄せてもらえたら」と話す。
今年初めて訪れた60代男性は「見事な花。これだけの自然を維持するには大変な苦労があると思う。管理している皆さまに感謝」と話す。入間市から毎年訪れるという70代男性は「花の時期を楽しみに写真を撮りに来ている。毎年美しい花が見られるのは保全活動のおかげ」と笑顔を見せる。
地元のノルディックウオークサークルの女性グループも、この時期はコースを変更して保全地区を訪れ、「ヤマユリの香りを楽しみながら歩くのが毎年の楽しみ」と話し、初夏の里山を楽しんでいた。