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狭山工業高校で「サヤマ・ジョブマーケット」 地元企業と就職マッチング

「サヤマ・ジョブマーケット」の様子

「サヤマ・ジョブマーケット」の様子

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 埼玉県立狭山工業高校(狭山市富士見2)で3月13日、狭山市内の企業と高校生との合同就職説明会「サヤマ・ジョブマーケット」が開催された。主催は狭山市環境経済部産業振興課。

企業説明を行う株式会社サンワ。その後に高校生と交流した。

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 高校1・2年生を対象として2022年から開いており、今年で3年目。今年は、狭山市内の製造業の企業22社が参加した。高卒就職の全国平均が10%前半とされている中、狭山市の公立高校での高卒就職は約35%と高い地域性がある。同校には1951社、求人件数3210件を超える求人が寄せられているが、就職希望の高校生にとって企業を知る機会や場が少ないという課題感がある。また、高校から就職する場合、1人1社のみ就職活動するという決まりがあるため、事前に多くの企業を見ることで、就業後の満足度を上げ、ミスマッチをなくし、早期離職者数の軽減に繋がる。

 産業振興課の岸学さんは「以前は企業紹介の展示のみをしていたが、実際に企業の人に来てもらい、早い段階から就職先を意識してもらうことで、市内企業への就職と離職率の低い人材確保が期待できることから当イベントを企画した」と経緯を話す。春休み前の時期に授業の一環として受けてもらうことで、午前中は同校生徒、午後は周辺の就職希望の高校生が参加できるという。「狭山市内は製造業の企業が多く、地域密着型の人材となれば。約400人の高校生が参加する就職イベントは埼玉県内でも最大級では」とも。

 同校進路指導部の池田和晃教諭は「三者面談のある高校3年6月の時点で希望する企業が決まっていると、その後の就職活動がしやすい傾向にある。高校1・2年の時から就職先のイメージを持ってもらえるイベントは生徒にとって貴重なきっかけとなる。実際、このイベントで意識を持って過ごし、その企業に就職した生徒もいる」と話す。

 イベントに先立ち、小玉佳也校長は「地元に就職し、地元で活躍できる生徒を育てていきたい。地元企業の皆さんはぜひ学生に熱く語ってほしい」と参加企業に呼びかけた。産業振興課の武井理課長も「就職について考える貴重な機会。未来を担う人材を育てることが地域経済に寄与する」と話す。

 出展企業の一社で、福祉・物流用階段昇降車や特殊運搬車などを製造するサンワ(根岸)の横山俊一取締役は「われわれの製品は駅構内の階段で飲料水を運ぶなどしているのを目にしたこともあると思う。あの製品が狭山市内で作られているんだと身近に感じてもらい、学生と密に話ができる機会はありがたい」と話す。新幹線や在来線のパンタグラフを製造する工進精工所(新狭山)技術部の岩渕さんは「パンタグラフを製造している企業は国内に2社しかない。私たちが持っている技術を知ってもらえる機会になれば」と期待を込める。

 イベントは1サイクル30分間で企業説明を行うことを複数回繰り返し、その後、学生と交流した。

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