「第50回全日本愛瓢会展示会」で文部科学大臣賞を受賞した地元在住の佐野健一さんによる「ひょうたん作品展」が10月30日~11月3日、堀兼公民館(狭山市堀兼)で行われた。
佐野さんは堀兼在住のひょうたん作家で、6月に福井県福井市で開かれた同大会で、記念すべき第50回を迎えた節目の年に最高賞である文部科学大臣賞を受賞。今回の展示は、狭山市民文化祭に合わせて開催するもので、受賞作をはじめとする数々の作品を展示した。
佐野さんがひょうたん作りを始めたのは約25年前。当時の堀兼公民館長から苗を譲り受けたのがきっかけだったという。ひょうたんは1日に5センチ以上成長し、約40日で130~160センチに達する。その後40日ほどで硬化し、水に漬けて腐らせて中の種や果肉を取り除き、乾燥させる。この後、金色や黒色、あずき色などの塗料を約40回塗り重ねて研ぎ出しを行い、本業の農作業の傍ら約4カ月かけて一つの作品を仕上げるという。
これまでに太長瓢箪(ふとながひょうたん)3個、大瓢(塗装を施さない地肌の作品)5個ほど制作。家の一室を作品で埋めている。佐野さんは「一番苦労するのは研ぎ始めから半分くらいまでの工程。粘りと根気しかない」と話す一方で、「研ぎ上がったときの出来栄えを見ると、それまでの苦労が吹き飛ぶ」と笑顔を見せる。
「売ってほしいという声も多いが、作品はわが子のような存在なので手放せない」とも。現在78歳の佐野さんは「50代で始めたが、これからも楽しみながら全国大会に出展できる作品を作り続けたい」と意欲を見せる。