埼玉県立狭山特別支援学校狭山清陵分校の生徒が10月23日、奥富公民館(狭山市下奥富)で食品加工の授業で製造したオリジナルパンの定期販売を始めた。
同校では社会的自立に向けて働く意欲や関心を高め、働くために必要な知識や技能、態度を養うことを目的に、食品加工、農園芸、メンテナンス、オフィスサービスの4業種で実習を行っている。食品加工ではパン製造に取り組んでおり、2月には販売体験と地域交流を目的とした県内初となる公民館での実習販売を実施。用意したパンは30分で完売した。販売後には地域から「定期的に販売してほしい」との声が寄せられ、今回の定期販売につながったという。
当日は、スイートポテトパンとコーングラタンパンの2種類、計180個を用意、1年生3人が販売を担当。販売時間前から地域住民が並び、3人は「いらっしゃいませ」「ありがとうとざいます」と声をかけながら、笑顔で対応した。
同校の田中理子校長は「地域の方に直接販売する体験を通じて、仕事に必要なコミュニケーション力を養うことができる。将来に向けた実践的な学びになっている」と話す。
販売員として接客に当たった1年の五十嵐颯翔さんは「思ったよりお客さまが多くて大変だったが、たくさん買ってもらえてうれしかった。パンを丸めて成形するときのガス抜きの力加減が難しかった。今後はパンの種類を増やして販売に力を入れたい。卒業後は食品関係の仕事にも挑戦してみたい」と意気込む。
同校では現在、地元・奥富産の米を原料とする「お米パン」の商品開発も進めており、来年2月の販売開始を目指しているという。
今後の販売日は、11月13日・25日、12月2日・11日、2月19日。時間はいずれも13時~13時30。売り切れ次第終了。